大工村

有限会社今高建築 今泉秀隆

木の性質を知り
無垢材を使いこなす匠

有限会社今高建築 | 今泉秀隆

無垢材の扱いがわかっていて、それを切り出す技術が備わっており、知識と技術が両立。無垢材を余すことなく、適材適所で使うことができる建築会社です。下請けに任せるのではなく自らが作業するこで、コストパフォーマンスの高い家を建てられるのが魅力のひとつ。日々、努力を惜しまず、常に進化するため、新しい技術への取り組みも積極的に行っています。

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なぜ棟梁になろうと思ったのですか?

当社は、父親が1代で築いた建築会社です。作業場が家の近くだったこもあり小さなころからいつも現場を見て育ちました。働く父の後ろ姿を見て、子どもながらに「面白そうだな、大工をやってみたい」と思ったものです。

父は自分の好きなことをやればいいと言っていましたが、必然的に棟梁になるんだろうと考えていたので、高校卒業後、家本工務店で3年間修業。材料を仕入れて一から加工して家を建てるという一連の工程を見て学ぶことができました。当時は兄弟弟子と一緒に切磋琢磨していたので、お互いに刺激を与えあったことも多々ありました。休憩時間でも先輩にノミやカンナの歯の研ぎ方を教えてもらったりして、道具の使い方の基礎をここで学びました。この時の経験は、今の仕事に生きています。

父親は大工の仕事が好きで今でも現役です。ときには指導を受けながら一緒に仕事をしています。

家作りの中で最もこだわっている部分は何ですか?

「お客様の要望に応え、希望に沿った家を作る」

ひとりひとり予算もありますが、その中でどれだけ要望に応えられるかを常に考えています。和風、洋風、古民家風など、さまざまな住宅に対応しますが、図面を設計士さんに全面的に任せることはしません。お客様と話をして希望をくみ取り、間取りや外観などの形を決め、それを最終的な図面にしてもらいます。
また、要望に細かく応えていくために、無垢材が欠かせません。無垢材はある程度自由に加工ができるため、デザインを既製品の木材に寄せるのではなく、やりたいデザインに木材を合わせることができます。無垢材は加工されている建材を使うより、技術も手間もかかるけれど、家を建てたときのぬくもりや仕上がりが違います。木の癖を理解して適材適所で使うのは、木の扱いがわかっていないとできないこと。修業時代に、どの向きでどう使うかといった木の扱い方を厳しく指導してもらったので、木の扱いには自信があります。

また、父親も一から作ることにこだわっているので、作業場に機材が揃っています。環境と技術の両方が揃っていて無垢材を扱えるところが当社の強みだと思います。

他の大工・工務店さんに負けない、負けたくない部分は何ですか?

コストパフォーマンスの高さです。価格は抑えつつ、高い品質を維持していくところは負けたくない。無垢材を使っていてこの価格というところは自信があります。
ただ、価格を抑えるための努力も惜しみません。例えば、作業を別の業者さんにお願いするのではなく、できるかぎり自社の大工が作業を行っています。コストだけでなく品質的に考えても、こちらの意思を伝えるのは難しいということもあり、人任せにしないよう心掛けています。父親もそうですが、基本的にどんな作業もできるようにしているので、自分も自社の職人も自然とそうなりました。やれることをすべて自己施工をすることで、品質を下げずにコストダウンができていると思います。
また、住宅メーカーと相見積もりになることもありますが、価格だけで比較されないよう、なぜそれだけの価格になるのか、きちんと説明することで納得してもらえることも多々あります。

ほかには、リフォームを受けることもありますが、お客様がこんなこと言ってもいいのかな…と気を使われることも良くあります。小さなことですぐに聞くようにして「なんでも言ってもいい」という環境を作り、完成後物足りなかったということがないよう心掛けています。今後は、住宅関連のイベントなどに積極的に参加し、地域型住宅グリーン化事業の補助金が受けられるような家づくりにも挑戦していこうと考えています。

棟梁になってした悔しい思いと一番良かったことを教えてください

3年ほど前に代表取締役になったのですが、父親が段取りを決めて、自分の発言が取り入れてもらえなかったり、思うようにならならなかったりということがありました。とにかく自分に任せてもらえないのが悔しかったです。でもそれをバネにして仕事をしてきたからか、徐々に認めてもらえるようになり、今では仕事や段取りも随分任せてもらえるように変わってきました。

良かったことは、一から施主さんと計画したことが形になったとき。達成感があって本当に嬉しいですね。住宅の展示会を何回かやっていますが、なかなか契約まで結びつきません。それでも、当社で家を建ててくれたお客様が自分の家を「どうぞ見てください」と気軽に提供してくれると、本当にありがたく、棟梁をやっていて良かったと思える瞬間です。そして何より、家を建てた人がお客様を紹介してくれるのが一番うれしい。紹介してくれるということは、家に満足してくれている証だと思う。ひとつひとつの家に向き合い、丁寧に建ててきたことの結果だと思うと、今後の励みにもなります。

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基本情報

会社名有限会社今高建築
住所〒437-0215 静岡県周智郡森町森1414-1
電話番号0538-85-0672
ホームページhttps://www.imataka.life/

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