本当にお得なのは変動金利?固定金利?
しかし、変動金利の方が1%以上金利が低く、ローンを組んだときの当初返済額もずいぶん異なってきます。その代わり、将来金利上昇による返済額増加というリスクも負うことになります。
しかしながら、あらかじめ準備さえしておけば、ローンの金利が上がっても家計は安心です。それどころか、逆に家計は安泰になるかもしれません。
変動金利と固定金利、いったいどっちがいいのか?
住宅ローンを組むときに悩む一番のポイント。
それは、なんといっても、変動金利・固定金利のどちらがいいのか?ということだと思います。
低金利時代の今、そして近い将来金利上昇が見込まれる現在・・・「固定金利を選ぶ」のがセオリーと思われておりますが、そうでもありません。銀行やテレビのコメンテーターのいうことを鵜呑みにして、何も考えずに固定金利を選んで、後で後悔しないようにしてください。
なぜなら、住宅ローンの変動金利・固定金利はどちらが優れているというものではなく、それぞれに一長一短があるのです。
固定金利のメリットとデメリット
固定金利のメリットといえば、なんといってもローンを組むときに全期間の返済額が明確になり、将来の支出の予定を立てやすくなることでしょう。また、将来の金利上昇は一切関係なく、ローン金利は一定のため、返済額も変わらないということです。
デメリットは、変動金利に比べ当初の返済額が多くなること。三菱東京UFJ銀行の現在の金利(H18年9月)でシミュレーションしてみましょう。
■3,000万円を35年で完済するケース
| 返済方法 | 金利 | 月々の返済額 |
| (1)35年固定金利 | 3.22% | 119,170円 |
| (2)変動金利 | 2.375%(優遇金利なし) | 105,249円 |
| (3)変動金利 | 1.375%(通期優遇1%) | 90,029円 |
それから、将来繰上げ返済を考えている場合も注意が必要です。
例えば、40歳でローンを組み、60歳定年時に退職金で繰り上げ返済を考えているようなケースです。
固定金利は、固定期間を長く組むほど高く設定しております。例えば、先ほど同様に三菱東京UFJ銀行の現在の金利(H18年9月)は
10年固定 2.25%
15年固定 2.80%
20年固定 3.05%
35年固定 3.22%
となっております。
つまり、当初から20年で完済することを目標として、35年固定金利でローンを組んでしまうと、20年固定金利と比較して、たった0.17%しか金利は違いませんが、これを実際の金額に置き換えてみると月々約3,000円、20年間で約72万円も差が出てしまいます。つまり、72万円も余分に利息を払ってしまうことになります。
変動金利のメリットとデメリット
変動金利のメリットといえば、ローンを組むときの返済額が固定金利に比較して少なくすむこと。上記のように、優遇金利をうまく利用することで、月々約3万円も返済額を少なくすることが出来ます。さらに、金利が下がればさらに返済額も減ることになります。
確かに金利が上昇すると返済額も増えますが、変動金利が固定金利と同じ3.22%(店頭表示4.22%)まで上昇して、はじめて「固定金利」と同じ返済額になるイメージです。ただし、実際はローン残高が減っているため、それでも同じ返済額には達しません。
また、返済の途中で金利が固定金利の3.22%を超えたら、固定の方がよかったのでは?と思われるかも知れません。しかし、実際はそれまでの返済総額は、変動金利の方が低いため、金利負担は少なく元本充当額が多いという状況から、同じ金利になったとしても、その時点ではまだ変動金利を選択していたほうが充分なメリットが出ていることになります。
変動金利が一定割合にて、右肩上がりに上がったと仮定すると、固定金利の3.22%に、当初金利差である1.845%(3.22%-1.375%)分を足した、5.065%(店頭金利6.065%)になった時点で、はじめて「固定金利」と「変動金利」のどちらを選んでも同じ負担になるというイメージになります。ただし、こちらも実際はローン残高が減っているため、まだ同じにはなりません。
もちろん、将来のローン金利はいつ、いくらくらいになるかはわかりません。
そのため、やはり変動金利で住宅ローンを組むことは、いわゆる「賭け」のように思われる方がいるかも知れません。
変動金利に「保険」をかけるとは?
変動金利を選んだ場合のリスクは、金利上昇に伴う返済額の上昇・・・つまり、貯蓄にまわせる金額が減ってしまう、または貯蓄を取り崩す状況になってしまうところです。
金利上昇の要因は、基本的には好景気です。つまり、変動金利に「保険」をかけるという事は、景気が良くなったら資産が殖えるような運用を、住宅ローンを組むのと同時に始めればよいことになります。
運用方法としては、株や債券などの投資信託を利用するのが一般的。または、変額保険や投資型年金、投資型ユニバーサル保険を利用するのも選択肢の一つです。この方法をとることで、短い期間ではなく、長い期間で見ることによりリスクを軽減することが可能となります。
過去50年の日本の平均株価の平均上昇率は約7%ですし、過去200年の米国株式市場の平均上昇率は約8%です。
さらに、世界債券の平均利回りは3~5%ですので、これらを上手に組み合わせることで、住宅ローンの変動金利に保険をかけることが可能となるでしょう。
このように「保険」をかけると・・・
3,000万円を、35年で完済するケースでは、
(1)35年固定金利 3.22% 月々の返済額 119,170円
→ 総返済額 約5,000万円 (利息2,000万円)
(2)変動金利 1.375%(通期優遇1%) 月々の返済額 90,029円
→ 金利が上がらなかった場合 約3,800万円 (利息800万円)
差額の3万円を利回り0%で運用 約1,260万円 (プラスマイナスゼロ)
→ 金利が上がり続けた場合(平均4%)約5,570万円 (利息2,570万円)
差額の3万円を利回り6%で運用 約4,300万円 (プラス3,000万円)
通常は、景気が良くなればお給料も増えるはずです。
つまり、ローンの金利だけが高くなることは考えにくいのです。もちろん運用方法の選択は大切ですが、上記のように、変動金利で住宅ローンを組んでも、同時に固定金利との差額分程度を投資信託等で運用することにより、ローンの金利上昇時に支払う利息だけでなく、自らの資産も殖えるようにしておけば、完済時の資産もずいぶん殖えることになるのではないでしょうか。


