返済計画の立て方 ~「頭金ゼロ」と「自己資金なし」は大違い~
頭金ゼロでも住宅購入ができる!という広告が目に付きますが、本当にゼロでもいいでしょうか?それとも、頭金は必要なのか?という疑問についてお伝えしたいと思います
AさんとBさんの住宅購入物語 ~その1~
AさんとBさんの2人が、同じ価格の物件の購入を検討しています。
ある日の朝刊と一緒に入っていた広告を何気なく見ていると、「頭金ゼロ!家賃並みの価格でマイホームがもてる!」という見出しがありました。立地条件や間取りなど、理想通りの物件。そして、チラシに書かれていた金額は次の通りです。
土地価格 1,200万円 建物価格 2,000万円
堅実派のAさんは、広告には頭金ゼロと書いてあったが、ローンは少ないに越したことはないと思い、今までコツコツためた1,000万円のうち800万円を住宅購入資金(頭金)として使うことを決めました。
行動派のBさんは、これまで特に貯金をしていませんでした。だから、「頭金ゼロ」という見出しを見て全額住宅ローンで家を購入しようと決めました。
そもそも「頭金」って何でしょうか?
住宅購入時の資金計画の解説、あるいは不動産広告など、さまざまな場面で 『頭金』 という用語が使われています。住宅購入を検討している一般の方は、「頭金が足りない!」 とか 「頭金を貯めよう」 とか、ごくごく普通に『頭金』という用語を使っていることでしょう。
国語辞典(goo辞書)で調べてみると「分割払いや延べ払い販売で、契約成立と同時に代金の一部として払う、ある程度まとまった金額。」と記載してありました。
不動産取引の中で「頭金」といえば、一般的には物件価格から住宅ローン借入れ額を差し引いたものと解釈される方が多いようです。つまり、自己資金の中から売買代金に充当する金銭に相当します。
住宅取得の資金と新居に住むためのお買い物
住宅取得の際には、物件価格と諸費用がかかります。
※諸費用は概算。主に、固定資産税、都市計画税、ローン保証料、事務手数料、団信保険料、火災保険料、印紙税、登録免許税不動産取得税、仲介手数料などが考えられます。(詳しくは後日別の記事にてご紹介します。)
さらに、これらとは別に、通常、手付金が必要になります。
その他住宅メーカーや不動産業者に払うお金以外にも、住宅購入の際には、さまざまなお金がかかります。
例えば...
1)照明 10万~数十万
2)カーテン 数万~100万円以上
3)引越し費用 20万円程度
4)家具 0~100万円以上
5)エアコン 0~数十万
6)電化製品 0~数十万
7)門扉や庭などの外溝 100~200万円
新居に住むには、ざっくり見積もっても200万円以上の資金がさらに必要となってきます。つまり、自己資金の中から、こういった「新居に住むためのお買い物」コストも考える必要があります。
頭金はゼロでもいいけど、自己資金ゼロはいけない
頭金ゼロの場合、住宅購入にかかるさまざまな諸費用(「新居に住むためのお買い物」コストは含まない)を考慮すると、物件価格を上回るローンを組まないといけません。全期間金利が変わらないフラット35の利用条件では、住宅ローン借入れ条件が物件価格の8割までの融資となっているので全額ローンは組めません。
また、銀行ローンでは120%全額融資が可能などというものもありますが、頭金が少ないほど住宅ローンの借入れ条件が厳しく、利息が増加し、借入の手間も増えます。
そして、頭金ゼロだけでなく自己資金もゼロの場合は、新しい家を買っても、電化製品や家具やカーテンなど、今まで使用したものをそのまま持ち込んで使用しないといけません。
つまり、「自己資金」-(「諸費用」+「新居に住むためのお買い物」)=「頭金」となり、「自己資金」≠「頭金」であることをお忘れなく。
ローンの返済総額はいくらか?
800万円の自己資金で家を建てようと考えているAさん。その内200万円は「新居に住むためのお買い物」、200万円は「諸費用」コストとして計上するため、頭金は400万円。物件価格3,200万円から頭金400万円を差し引くとローン額は2,800万円となります。
一方、頭金ゼロのBさん。「新居に住むためのお買い物」はとりあえず後回しすることにしました。物件価格や諸費用を合わせると、3,400万円になり、全額ローン(オーバーローン)。
二人とも、35年返済で、金利は2.7%固定で考えてみます。(こういうケースは一般的には、Bさんの方が金利は高い可能性がありますが、ここでは仮に同じとします。また、月々返済のみでボーナス払いはなしとします。)
Aさんの月々返済額 約10.3万円 返済総額 約4,331万円
Bさんの月々返済額 約12.5万円 返済総額 約5,259万円
BさんはAさんに比べ、月々の返済額が2万円以上も多い。しかも、新居に移ったのに、門扉、外構はないし、家財も充分に足りない。後回しにしたけど、結局、なかなかお金が溜まらず結局、充分な家財を買うことはできない。
一方でAさんは、新居に移ったと同時に、家財やカーテンや外構を新居にマッチさせ揃えた上に、月々の生活にもゆとりをもつことができました。
さらに、ローン完済時の貯金の差も歴然。優雅な老後が待っているAさんと、ひもじい生活が待っているBさん。
これから、住宅購入を検討しているあなたは、どちらの人生を送りたいですか?


