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10月の住宅建築費(指数:6カ月平均)は過去最高を更新

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◆建設工事費デフレーター
建設資材費40%+工事関連サービス20%+人件費40%でウエイト付けされています。
人件費が賞与等により大きく変動し、建設費の実態が分かりにくくなるため、国土交通省公表のデフレーターを、独自に6ヶ月移動平均値に換算しています。
消費者物価よりも激しい動きとなっています。

★2019年12月26日に国土交通省が発表した2019年10月の「建設工事費デフレーター」の住宅建築指数は、3か月連続で前年比上昇しました。
尚、6か月移動平均でも、前年比上昇し2年11か月連続で前年比上昇中です。

          指数   前月比    前年比
単月指数    112.0 -0.7%  +2.5%
6か月移動平均 111.6 +0.2%  +1.3%
消費者物価指数 102.0 +0.4%   +0.4%
※本データは実際の住宅価格の動きを示すものではありません。

◆住宅購入で気になるのは、住宅ローン金利とともに「建築費」。

2012年に安倍政権発足後、アベノミクスと日銀の"異次元の金融緩和"により、長期金利が下がる一方で円安が進展

金利の低下は住宅ローンに恩恵が出ていますが、円安は、建築資材費(原材料)の多くを輸入に頼っているため、資材費が上昇

またアベノミクスの3本の矢の「第2の矢」である"機動的な財政政策"は、公共事業を増やしました

こうしたこともあって、建築業界の人手不足と建築資材費の値上がりが続きました。

更に、2014年4月には消費税が8%に上がり、建築費は更に上昇しましたが、増税の影響で住宅建築件数は前年比減少が続き、2014年の夏をピークに建築費は下落を始めました。

しかし、2015年4月から再び上昇。

単月の指数としては激しい動きを示します。
6ヶ月移動平均でみると2014年9月以降高止まりの状況が続いてきましたが、2016年6月から原油価格の値上がりもあって上昇してきました。
更に、2020年のオリンピックに向けて、建築ラッシュが建築費の上昇に拍車をかけました。

そして、2017年4月以降、過去最高水準を継続しています。

アメリカの住宅建築が好調なこともあって、北米の木材価格が上昇しており、これを輸入している日本でも輸入材が値上がりしています。

一方で、人手不足により、人件費が上昇しています。

◆10月から消費税の増税が始まりました。

政府は増税による住宅購入の落ち込みを回避するため、様々な対策が用意されています。
(住宅ローン減税の期間延長、住まい給付金の拡大、住宅エコポイントの復活、住宅資金の贈与税の非課税枠拡大など)
一方で、住宅購入を検討されている方にとっては、建築費の動向も確認しながら、そのタイミングを図る必要があります。