ようこそ、大工村へ!
お久しぶりです、レポーターのK(ケイ)です。
今回は、私が第6回の大工職人まつりの「鉋薄削り大会」の様子をお届けします!
イベントの恒例行事――大工が職人の腕を競う「鉋(かんな)の薄削り大会」。
若手から熟練のベテランまで、同じ土俵でチャレンジするその空間は、ピリッと張り詰めた空気が。家族連れでにぎわう他の会場とは明らかに雰囲気が違いました。この大会のために「昨日刃を研いできました」という大工さん。早朝会場の脇で黙々と研いでいる大工さん。おのおのの意気込みを感じます。
大会で使用する角材はヒノキ。測定に挑戦する大工さんはその上に鉋を置き、自分のリズムで鉋を引いていきます。横に立った人が鉋くずを持ち上げている(写真参照)のは、削りやすいよう、補助をしているのだそうです。
鉋を引く大工さんは一点を見つめ、呼吸の振動すら手元に伝えないようにと集中しています。真剣でまっすぐなその表情からは、己を見つめるかのような気迫さえも感じられました。そして、大工さんが削ったあとの角材はとてもすべすべしていて、艶やかで美しいものでした。
削った鉋くずは、受付で3カ所を測り平均値を出します。これを3回繰り返し、もっとも良い平均値でその薄さを競い合います。予選を通過できるのはたったの2名。たくさんの声援と注目の中で行われた決勝、子どもたちもかたずをのんで見守っていました。優勝した大工さんが自分を取り囲む大勢の子どもたちに向かって、「大きくなったら、大工になれよ!」と声をかけている姿に、胸が熱くなりました。
伝統的なこうした技術は何としても継承していきたいもの。一朝一夕では身につかない技術を必要とする大工という仕事はまさに「職人の中の職人」だと実感した一日でした。