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フラット35金利の記事

3月のフラット35の住宅ローン金利は僅かに上昇

フラット35金利2403.jpg◆代表的な長期固定の住宅ローン商品「フラット35」の2024年3月融資金利は、前月より0.02ポイント上昇、1.84%(返済期間21年以上のタイプ)となりました。
20年以下のタイプも前月より0.02ポイント上昇の1.36%

※フラット35に付随する団体信用生命保険(以下団信)の保障内容は、
一般金融機関の団信保障内容が「死亡・高度障害」時に支払いですが、フラット35は「死亡・身体障害(身障者手帳2級以上)」時に支払いとなっているため、一般金融機関の団信よりも保障範囲が拡大されています。

※健康状態が厳しいため団信に加入できない場合、基準金利より0.2%低い金利で融資を受けられます。

◆長期金利の代表である「新発10年物国債利回り」は、日銀が「次元の異なる金融緩和」により低く誘導。
日銀は2022年12月に長期金利の誘導目標を"実質の利上げ"。それまでの0.25%を0.5%に上げました。

2023年3月上旬までは日銀が10年国債金利の目途とする0.50%を上限として推移しましたが、中旬に欧米の銀行の破綻が伝えられ金融システムへの不安から20日は0.25%まで低下。その後金融不安が後退し0.3%台まで上昇し、4月に更に上昇し下旬までは0.47%。6月の日銀による金融政策決定会合で、これまでの金融緩和政策を維持の発表を受けて0.3%台に低下。

しかし7月28日の日銀会合で「長期金利の上限目途を1%」に修正したため、9月末は0.76%まで上昇。更に10月末に日銀が長期金利の上限について1%を一定程度超えることを容認したため、月末は0.95%へ。ところが11月中旬にアメリカの物価上昇率が下がり長期金利が低下したことで12月末は0.62%。

2024年1月、2月は日銀の0金利政策解除への思惑から下旬に少し上昇し0.7%台へ。

フラット35の金利は、この長期国債の金利が反映されています。

◆下のグラフはアメリカと日本の長期金利の推移を示しています。

日米長期金利推移2402.jpg日本の長期金利はアメリカの金利に沿って動くことがあります。

アメリカの2023年の長期金利は3月中旬に欧米の銀行破綻が相次いであり、金融システムの不安から長期金利は3.5%台に低下し4月~6月も概ねこの水準が継続しました。
8月は4%台へ上昇し、9月下旬には暫く金利高が継続するとの予想からぐっと上昇し4.5%と16年ぶりの高水準となりました。
10月下旬には一時5%に達し、11月以降物価上昇が和らいだことで金利は低下し12月末は3.9%。
2024年1月はFRBの政策金利が利下げへと動くのか様子見となり4.0%を挟む動き。2月は利下げが遠のく思惑から4.3%台へ。

◆下のグラフは、2013年以降の、「フラット35」における21年以上返済の場合の、最低金利の月別推移です。

フラット35月別金利2403.jpg2012年以前は高くても3%程度でしたが、日銀の金融緩和の継続条件「賃金上昇を伴い物価が安定的に2%になるまで継続」を考慮すると、国債金利が現在の0.7%が1.0%を超えて大きく上昇するのは暫くなさそうで、住宅ローンの固定金利についても急激な上昇は抑制されそうです。

第2次安倍政権が発足した以降2013年から2015年迄は2%を超えた月が僅かで、また1年間の最高金利と最低金利の利幅は、0.24%程度。2016年~22年の利幅は僅かに0.22%、2023年~24年は0.17%と低くなっています。

◆2024年2月から、夫婦のいずれかが40歳未満か18歳未満の子供がいて、ZEHまたは長期優良住宅の基準を満たした住宅であれば、フラット35の金利が当初5年間「1.0%優遇」、次の5年間は「0.25%優遇」されます。

この条件がそろえば、3月の1.84%の金利は当初5年間を0.84%、次の5年間を1.59%で借りられます!

返済期間が20年以下ならば、1.36%が当初5年間を0.36%、次の5年間を1.11%!

今後の金利上昇リスクを避けるため、フラット35の金利優遇タイプであれば、低金利で最長10年間は段階固定されるし、その後の金利も決まっていますので、上昇するかもしれない一部期間の固定金利や変動金利に比べれば安心が得られます。

3000万円を35年間借りた場合、当初5年間1.0%、次の5年間0.25%優遇の効果は約190万円!。
家計が助かりますね。

贈与税の非課税枠があり、住宅ローン減税もありますので、今は金利も低く本当に住宅取得には良い環境です。

文責 ふくろいFP-SERVICE

始まります!住宅ローン金利の優遇
2009年度第2次補正予算の成立を受けて、住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35S」の金利が、一定期間下がります。

開始は2月15日融資分から。 12月30日申し込み分まで。

フラット35S」は最長35年間固定金利で借りられます。

このローン商品で、当初10年間は、なんと「1.0%」金利を優遇する措置です。

対象となるのは、フラット35の融資適合住宅で、かつ省エネ、バリアフリー、耐震等について一定の基準を満たした住宅で、新規融資の場合。

次のいずれか1つの基準を満たす住宅が適用となります。
具体的にはこちら

【10年間優遇の場合 ;20年間優遇の場合は下記よりも条件が厳しい】

◆省エネルギー性  
   省エネルギー対策等級4の住宅

◆耐震性
   耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2または3の住宅
   免震建築物

◆バリアフリー性
   高齢者等配慮対策等級3、4または5の住宅

◆耐久性・可変性
  劣化対策等級3、かつ、維持管理対策等級2または3の住宅

この制度は、現在は「基準によって、10年間 または 20年間は0.3%優遇」となっていますので、金利の優遇幅は大幅に拡大されます。

この1%の金利優遇により、支払利息がどの程度減るのか試算しました。

今月の融資金利で、21年以上借り入れの場合、最低の金融機関は2.6%ですので、これを参考にします。

◆2000万円(月払いのみ)を35年間元利金等返済で借りた場合・・・

  ○ 2.6%で35年間借りると 
     総返済3048万円 月々7.3万円の支払い。

  ○ 当初10年間1.6%、11年目以降2.6%とすると、 
     当初10年間は 総返済額747万円 月々6.2万円の支払い
     11年目以降   総返済額2093万円 月々7.0万円の支払い

 返済総額は2840万円ですので、208万円の利息が軽減できます。
 また、月々の支払いも減り、教育資金などの積立にも回せます。

省エネ住宅ならばこの金利優遇が使えた上に、「住宅版エコポイント」も付与されます。

現在の金利水準は、過去の金利水準と比べても、かなり低い水準にありますので、
今年住宅を購入する人には朗報です。
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