大工村

住まいるマネー塾のマネー講座

経済の話の記事

今買いますか、それとも貯めてから?

「マイホーム」欲しいですよね!

私が住む袋井市内ではいくつかの所で区画整理が行われていて、次々と新しい家が出来ています。

さて、家を買うとなると多くの方は住宅ローンを組みます。

仮に、3000万円を30年、利率3%で元利金等返済で借りると、月々12.6万円の返済(ボーナス払い無し)、支払利息は1550万円となり、支払い総額(元利合計)は4550万になります。

一方で、ローンを組まずに一生懸命貯めてから買う場合は、こんな感じになります。

月々12.6万円を、3%の「複利」の金利で30年間貯めると、元本は4536万円で、元利合計は7342万円になります。

しかし、一生懸命貯めても、インフレが起きると、貯めたお金の価値は目減りします

実際の日本の物価上昇率は、1970年からの30年間では年平均4%程度で3.2倍に上昇していますが、76年からの30年間では年平均2%程度で1.8倍の上昇となっています。

今後30年間でインフレによって物価が2.4倍になると、今なら3000万円で買える家が、30年後には7200万円になります。

と言うことは、3%の金利は、現在の価値と将来の価値を同等のものにしているわけで、「今ローンで買っても、貯めてから買っても価値は変わらない」ということになります。


しかし異なるものがあります。

それは、経済学で言う「効用」つまり「満足度」です。


今住みたいわけですから、今買って住めば、満足度は30年後の比ではないでしょうし、家族構成を考えても、今買うことになるのでしょうね。  

長期金利の決まり方-2
長期金利の決まり方を、少し長い目で見ていきます。

経済活動が活発になって、会社の業績も良くなり、インフレが起きると、金利も上昇していきます。

しかし、景気が停滞しているのに、インフレが起きることもあります。
この時もインフレを抑えるために金利は上昇します。

そして、景気を良くするために、様々な財政出動をして、国債を増発すると、国債の供給が増えるため、金利が上昇しないと誰も買ってくれません

見方を変えると、国の財政が厳しくなるので、金利が上昇するとも言えます。

このことを「財政上のリスクがあるので、リスクプレミアムが金利に上乗せされた」と言います。

以上のように、長期金利は、

実質の経済成長率 + インフレ率 + リスクプレミアム 

の3つの要素で決まっていきます。

・現在は景気が悪化していて、経済成長率が低下しています。
金利低下
・しかも、インフレ率はナイナスです。
金利低下
・景気対策のために、財政出動が行われ始めました。
金利上昇

と言うことで、
「財政出動が国債の増発」と言う形で現れ始めると、長期金利は上昇していくと考えられます。
長期金利の決まり方-1

長期金利と言えば、「新規発行の10年もの国債の金利」が代表されます。

そして、住宅ローンの"固定金利"は、「新発10年国債金利」を参考に決まっていきます。
※変動金利は、日銀の政策金利によって変動します。

では、長期金利はどのように決まっていくかと言うと・・・

ちょっと難しい話になりますが、金利の決まり方を理解することで、住宅ローンの固定金利の動きについても理解もできるようになります。



長い目で見れば、長期金利の水準は、日本の「名目経済成長率」に近くなります。

名目経済成長率=インフレ率+実質経済成長率

経済成長率とは、新たに生み出されたモノやサービスの"付加価値"の合計額の増減のことです。

付加価値は、言うなれば「会社が新たに生み出したものの合計」です。
と言うことは、少々乱暴ですが、日本の会社の全体の成長率が、経済成長率を表すことにもなります。

では、投資家の立場から言うと、

長期金利=国債に投資して儲ける方が得なのか、
・株式に投資して儲けるのが得なのか、

と言うことにもなります。

どちらかが一方的に得であることが起きると、得でない方は誰も買わなくなりますので、市場が存在できなくなります。

長い目で見れば、国債の金利と経済成長率は近づいても、短期では金融・経済活動の波によって、損得が発生しますので、株が上がれば、

株を買って国債は売られ、金利が上昇することが起きます

 

・景気回復(経済成長率上昇) → 株を買う(株価上昇)

                  → 国債を売る(国債価格下落) ⇒金利上昇

・景気悪化(経済成長率低下) → 株を売る(株価下落)

                  → 国債を買う(国債価格上昇) ⇒金利低下 

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