日本銀行がついに「物価目標2%」を導入しました。
今までは「安定的な物価安定の目途をインフレ率1%として、1%到達が見通せるまでゼロ金利政策を解除しない。」とし、昨年秋の民主党政権下でも確認されていましたが、安倍総理の強い意向もあって、「物価上昇率の目標を2%」と明記しました。
しかし、その政策として出てきたのは、2014年度から毎月国債などの金融資産を13兆円、期限なしで買うというものでした。
ついに「無期限の買い入れ」にしたかと思ったら、買い入れする基金の残高は「2014年で、現在よりも10兆円多いだけ、そしてその水準は2014年以降も維持」と言うことが分かり、かなり腰砕けとなりました。
毎月13兆円買い続ければ、残高もかなり増え、市中への資金供給もかなり多くなるだろうと思ったのですが、実際は今までに買い入れた資産の償還があるため、残高としては実質10兆円しか増えないようです。
そして、もう一つ気になるのは「いつゼロ金利を解除するのか」というタイミング。
今までは「物価上昇率1%が見通せたら解除」が分かっていて、"時間軸効果"もはっきりしていたのですが、今回はそれを明らかにしていません。
日銀の一部委員が「物価が2%になったらゼロ金利政策解除」と言う提案をしたようですが、否決されています。
ゼロ金利政策が解除されると、短期金利が上昇しますので、銀行の預金金利が上昇しますが、同時に住宅ローンの変動金利も上昇します。
ちなみに、2006年にゼロ金利政策が解除された時は、1年間で変動金利は0.5%上昇しました。
今回、日銀は当面の物価上昇率の見込みを発表していますが、2013年は0.4%、2014年は0.9%。
2%に到達するのは早くても、2015年以降。
政府の財政出動と成長戦略も一緒に進めなければ、2%の到達はかなり困難と感じます。
上記グラフを見ても、先が長い話になりそうです。