住宅ローンの金利には、変動金利と固定金利があります。
2008年秋の金融危機以降、住宅ローン金利は、変動金利で借りる方が増えているようです。
※住宅金融支援機構の調査では、半数以上の方が「変動金利」を選んでいます。
2009年12月現在の変動金利は、優遇金利を利用すれば1.5%以下で借りられるところが多くなっています。
そうした「低金利」にまず目が行き、また「当分不景気で、低金利が続く」と判断する人が増えていることが、変動金利の選択につながっています。
ここで、変動金利について、仕組みとそのリスクを一度おさらいしておきたいと思います。
●変動金利は、日銀の政策金利を参考に、金利が決まる。
2009年12月現在の日銀の政策金利は0.1%。
2008/8月は0.5%
・・・バブル崩壊後95年以降は、1%以下継続。しかし、90年は6.0%であった。
●変動金利は、半年ごとに金利を見直しする。
現在は非常に金利が低いので、これよりも更に下がる余地は少なく、景気が好転すれば、上昇するリスクの方が大きい。
●半年ごとに金利は見直されても、返済額は5年間一定の場合が多い。
返済額(元本+利息)が一定であるため、金利が上昇し利息の支払いが増えた場合、元本の返済が減らされるため、元本の返済が予定通り進まなくなる。
金利の上昇が続くと、毎月の返済額の全てが利息に当てられ、更に支払うべき利息が返済額を上回ると、「未払利息」が生じる可能性もある。
●半年ごとの利率見直時には「返済予定表(償還予定表)」が送付される。
5年間返済額は変わらないため、返済予定表を見ても、毎月の返済額は変わらず、利息の支払額の変化に気づきにくい。
●5年後、返済額の再計算のタイミングで、返済額はそれまでの1.25倍に抑えるタイプが多い。
5年後急激に返済額は増えない一方で、金利上昇時は、利息の支払いが増えているため、元本の返済が進まないことになる。
●金利が低いうちは「変動金利」、上昇し始めたら「固定金利」へ切り替える予定の人が多い。
固定金利は「新規発行の10年もの国債」の金利を参考に、毎月決められる。
その「10年もの国債金利」は市場で毎日動いており、日銀が政策金利の変更する動きも取り込まれる。
従って、「金利が上昇しそうだ」と思って、変動金利から固定金利に変更しようとした時には、既に固定金利にも金利上昇が反映されていることが多い。
(固定金利は、変動金利よりも先に動く)
いかがでしょうか。
変動金利を選択する場合は、金利が変動した場合のリスクや、5年後の返済も含めて、十分試算する必要がありそうです。