大工村

住まいるマネー塾のマネー講座
11月のフラット35の金利は僅かに下がる

フラット35金利2611.jpg◆代表的な長期固定の住宅ローン商品「フラット35」の2026年11月融資金利は、前月より0.02ポイント低下の3.81%(返済期間21年以上のタイプ)となりました。
20年以下のタイプも前月より0.02ポイント低下の3.49%。

※フラット35に付随する団体信用生命保険(以下団信)の保障内容は、
一般金融機関の団信保障内容が「死亡・高度障害」時に支払いですが、フラット35は「死亡・身体障害(身障者手帳2級以上)」時に支払いとなっているため、一般金融機関の団信よりも保障範囲が拡大されています。
※健康状態が厳しいため団信に加入できない場合、基準金利より0.2%低い金利で融資を受けられます。

◆長期金利の代表である「新発10年物国債利回り」は、2013年より日銀が「次元の異なる金融緩和」により低く誘導してきましたが、「賃金と物価の好循環を確認し、今後も2%の物価安定の目標が持続的・安定的に実現していく」と判断したため、2024年3月に「マイナス金利の解除と長期金利の誘導政策を撤廃」しました。
撤廃により2024年4月以降の日本の長期金利は徐々に上昇、2024年5月下旬には12年半ぶりに1%を突破。更に7月末に日銀は政策金利の利上げ+0.25%と長期国債の買い入れ減額を発表。

2025年1月は日銀の政策金利の利上げ(+0.25%)もあり、14年ぶりに1.2%台へ。
5月はトランプ関税の各国の関税交渉の進展で景気悪化懸念が和らぎ一時1.5%まで上昇。
10月に積極財政政策を表明した高市政権が誕生すると、国債増発による財政悪化を懸念して長期金利は上昇し11月に1.8%台へ。12月は更に上昇して2%の大台を突破。

2026年に入って衆議院選挙で自民党が大勝し、高市政権による国債増発の懸念から長期金利は上昇し2.2%台へ。
3月にはイラン戦争による原油価格上昇によるインフレ懸念から更に上昇し2.3%台へ。5月には原油価格上昇と高市政権の補正予算指示により財政悪化懸念となり一時29年ぶりの2.7%台へ。6月はイラン戦争停戦期待から2.6%台へ低下したもの7月は高市政権の経済政策から2.7%台後半へ上昇し、8月は日銀早期利上げ観測から2.9%へ。そして9月には利上げもあって30年ぶりに3%台へ。
しかし10月は前半に日銀の政策金利の追加利上げの予想、更に来年度の予算規模による財政悪化懸念から3%台が続いたものの、後半から株価の下落と金利上昇による景気減速懸念から低下し2.7%へ。

フラット35の金利は、この長期国債の金利が反映されています。

※尚、2023年~2025年はフラット35金利(21年以上)と国債の金利との連動性が低くなりました。長期金利が上昇を続けていても、フラット35の金利が2%を超えないように利ザヤを抑制していたようでした。
2026年からはフラット35の金利が2%を突破したものの、5月までは国債の金利とほぼ同水準でしたが、6月からはローン金利は3%を突破し、長期金利の+0.5%~+0.9%と差が開いてます。

◆下のグラフは日本とアメリカの長期金利の推移を示しています。

日米長期金利推移2610.jpg日本の長期金利はアメリカの金利に沿って動くことがあります。

◆アメリカの2025年以降の長期金利の動き
2025年1月は雇用状況が好調のこともあり一時4.8%まで上昇。
3月はトランプ大統領の政策金利の利下げ要求牽制もあって方向感が定まらず4.2%台。
4月は想定以上の関税政策発表により一時3.9%台へ下落したものの、5月に各国との関税進展により景気悪化懸念が和らぎ一時4.6%まで上昇。しかし6月以降は雇用鈍化とFRBの利下げから長期金利は低下傾向。

2026年に入り2月末には3.9%に低下したものの、イラン戦争による原油価格高騰からインフレ懸念により3月以降上昇し4.3%へ。
5月は一時4.6%まで上昇したものの、6月は4.4%まで低下。7月~8月はイラン戦争の懸念と物価上昇から4.7%へ上昇し、9月はFRBの利上げと追加利上げ観測から5%台へ上昇し、10月は原油高とインフレ懸念から5.3%まで一時上昇したものの、株価の下落もあって金利は低下。

◆下のグラフは、2013年以降の「フラット35」における21年以上返済の場合の、最低金利の月別推移です。

1フラット35月別金利261.jpg2024年7月末に日銀が「今後の国債の買い入れ減額」を発表したものの、金利上昇に大きな影響が出ないような減額幅で、アメリカの金利は比較的落ち着いているため、国債金利は1.0%を大きく超えて上昇することはありませんでした。
しかし、2025年は物価上昇が続き、日銀の政策金利の利上げ予想、10月発足の高市政権の国債増発政策により長期金利が上昇し、住宅ローンの固定金利についても上昇しています。
更にイラン戦争によるインフレ懸念と長期金利が上昇し、ローン金利も上昇。

第2次安倍政権が発足した以降、フラット35の金利の1年間の最高金利と最低金利の利幅は、2016年~22年は僅かに0.25%、2023年~25年は0.16%と低かったので、この数年はいつローンが始まっても利息に大きな差は出ませんでしたが、
2026年は1月が2.08%に対し、11月は3.81%とその差が1.73%もあり、支払う利息にも大差が出ています。

◆フラット35は夫婦のいずれかが40歳未満か18歳未満の子供がいて、ZEHまたは長期優良住宅の基準を満たした住宅であれば、金利は当初5年間「1.0%優遇」、次の5年間は「0.25%優遇」されます。

この条件がそろえば、11月の3.81%の金利は当初5年間を2.81%、次の5年間を3.56%で借りられます。

返済期間が20年以下ならば、3.49%が当初5年間を2.49%、次の5年間を3.24%で借りられます。

★贈与税の非課税枠があり、住宅ローン減税もありますので、住宅取得には良い環境です。

文責 ふくろいFP-SERVICE