大工村

住まいるマネー塾のマネー講座
忘れてはいけない修繕費

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"一生に一度の買い物"、"人生最大の買い物"と言われる、マイホーム。

マイホームの購入・建築には大きな資金が必要となりますが、買った後にも、大きな資金が必要となります

それは、「修繕費」。

住宅の構造や、材質などによって、修繕費用も、修繕間隔もかなり異なると思いますが、目安としてのテータを掲載します。

国土交通省が、平成18年に実施された「増改築・改装等」の物件から29万件を抽出し、調査した結果です。

外壁・屋根は太陽光に年中さらされており、痛みがどうしても出るところ。
また、風雨による汚れもあるため、「外壁・屋根の塗り替え工事」は、15年程度を目安に実施する方が多いと聞きます。

約216万円が必要です。

住宅ローンを組んで、まだローン返済をしている最中に、修繕費の支出が起こります。
また、その頃になると子どもの進学費用も重なってきます。

住宅ローンのコンサルティングをしていると、この「修繕費」忘れている方が多いが現実。


「家を建てる」際には、"将来の家計診断"(キャッシュフロー表の作成)を行った上で、家計の破綻がないよう、しっかりしたプランが必要です。 

長期金利の決まり方-2
長期金利の決まり方を、少し長い目で見ていきます。

経済活動が活発になって、会社の業績も良くなり、インフレが起きると、金利も上昇していきます。

しかし、景気が停滞しているのに、インフレが起きることもあります。
この時もインフレを抑えるために金利は上昇します。

そして、景気を良くするために、様々な財政出動をして、国債を増発すると、国債の供給が増えるため、金利が上昇しないと誰も買ってくれません

見方を変えると、国の財政が厳しくなるので、金利が上昇するとも言えます。

このことを「財政上のリスクがあるので、リスクプレミアムが金利に上乗せされた」と言います。

以上のように、長期金利は、

実質の経済成長率 + インフレ率 + リスクプレミアム 

の3つの要素で決まっていきます。

・現在は景気が悪化していて、経済成長率が低下しています。
金利低下
・しかも、インフレ率はナイナスです。
金利低下
・景気対策のために、財政出動が行われ始めました。
金利上昇

と言うことで、
「財政出動が国債の増発」と言う形で現れ始めると、長期金利は上昇していくと考えられます。
長期金利の決まり方-1

長期金利と言えば、「新規発行の10年もの国債の金利」が代表されます。

そして、住宅ローンの"固定金利"は、「新発10年国債金利」を参考に決まっていきます。
※変動金利は、日銀の政策金利によって変動します。

では、長期金利はどのように決まっていくかと言うと・・・

ちょっと難しい話になりますが、金利の決まり方を理解することで、住宅ローンの固定金利の動きについても理解もできるようになります。



長い目で見れば、長期金利の水準は、日本の「名目経済成長率」に近くなります。

名目経済成長率=インフレ率+実質経済成長率

経済成長率とは、新たに生み出されたモノやサービスの"付加価値"の合計額の増減のことです。

付加価値は、言うなれば「会社が新たに生み出したものの合計」です。
と言うことは、少々乱暴ですが、日本の会社の全体の成長率が、経済成長率を表すことにもなります。

では、投資家の立場から言うと、

長期金利=国債に投資して儲ける方が得なのか、
・株式に投資して儲けるのが得なのか、

と言うことにもなります。

どちらかが一方的に得であることが起きると、得でない方は誰も買わなくなりますので、市場が存在できなくなります。

長い目で見れば、国債の金利と経済成長率は近づいても、短期では金融・経済活動の波によって、損得が発生しますので、株が上がれば、

株を買って国債は売られ、金利が上昇することが起きます

 

・景気回復(経済成長率上昇) → 株を買う(株価上昇)

                  → 国債を売る(国債価格下落) ⇒金利上昇

・景気悪化(経済成長率低下) → 株を売る(株価下落)

                  → 国債を買う(国債価格上昇) ⇒金利低下 

固定金利は保険
先日、日経新聞に「住宅ローン 固定金利が賢明?」と題して、変動金利のリスクについて書かれた記事がありました。

「将来の金利上昇リスクを考慮すると、長い目で見た場合には固定金利を選んだ方が賢明」と話されるFPも多くいます。

この記事で"面白い"と思ったのが、

●住宅ローンの固定金利が変動金利よりも高い分は、いわば「保険料」である。

と言う点。

「なるほど」と思いました。

変動金利は、金利上昇リスクをとる一種の"賭け"。
金利が上がらなければ、リスクに見合った「リターン」が得られるが、上がれば「ロス」を被る。

固定金利は、目先の負担を多くしてでも、将来の金利上昇リスクを避ける「保険」が付いている。
その保険料の分だけ、金利は高い

火災保険や自動車保険に加入するのは、将来事故や火事で大きな負債を背負うリスクを避けるためです。
結果として、一度も事故にもならず、火事にもならなかったと言って「保険に入って損した」と思う人はマレでしょう。

保険に入っていたおかけで、安心して暮らすことができたからです。

住宅ローンもこれと同じで、「変動」「固定」を金利の負担だけで論じられないと、言えます。

固定金利は、保険によってリスク発生を抑えると言う「安心」を得て、生活設計を立てやすくしてくれます。  
「変動金利」それとも「固定金利」?

住宅ローンの金利には、変動金利と固定金利があります。

2008年秋の金融危機以降、住宅ローン金利は、変動金利で借りる方が増えているようです。

※住宅金融支援機構の調査では、半数以上の方が「変動金利」を選んでいます。

2009年12月現在の変動金利は、優遇金利を利用すれば1.5%以下で借りられるところが多くなっています。
そうした「低金利」にまず目が行き、また「当分不景気で、低金利が続く」と判断する人が増えていることが、変動金利の選択につながっています。

ここで、変動金利について、仕組みとそのリスクを一度おさらいしておきたいと思います。

●変動金利は、日銀の政策金利を参考に、金利が決まる。

2009年12月現在の日銀の政策金利は0.1%。
2008/8月は0.5%
・・・バブル崩壊後95年以降は、1%以下継続。しかし、90年は6.0%であった。

●変動金利は、半年ごとに金利を見直しする。

現在は非常に金利が低いので、これよりも更に下がる余地は少なく、景気が好転すれば、上昇するリスクの方が大きい。

●半年ごとに金利は見直されても、返済額は5年間一定の場合が多い

返済額(元本+利息)が一定であるため、金利が上昇し利息の支払いが増えた場合、元本の返済が減らされるため、元本の返済が予定通り進まなくなる

金利の上昇が続くと、毎月の返済額の全てが利息に当てられ、更に支払うべき利息が返済額を上回ると、「未払利息」が生じる可能性もある。

●半年ごとの利率見直時には「返済予定表(償還予定表)」が送付される。

5年間返済額は変わらないため、返済予定表を見ても、毎月の返済額は変わらず、利息の支払額の変化に気づきにくい。

●5年後、返済額の再計算のタイミングで、返済額はそれまでの1.25倍に抑えるタイプが多い。

5年後急激に返済額は増えない一方で、金利上昇時は、利息の支払いが増えているため、元本の返済が進まないことになる。

●金利が低いうちは「変動金利」、上昇し始めたら「固定金利」へ切り替える予定の人が多い。

固定金利は「新規発行の10年もの国債」の金利を参考に、毎月決められる。
その「10年もの国債金利」は市場で毎日動いており、日銀が政策金利の変更する動きも取り込まれる。

従って、「金利が上昇しそうだ」と思って、変動金利から固定金利に変更しようとした時には、既に固定金利にも金利上昇が反映されていることが多い。
(固定金利は、変動金利よりも先に動く)

いかがでしょうか。
変動金利を選択する場合は、金利が変動した場合のリスクや、5年後の返済も含めて、十分試算する必要がありそうです。