2025年8月7日に発生した線状降水帯による豪雨災害で、鹿児島県霧島市および姶良市では多数の家屋が浸水被害を受けました。 NPO法人大工村では、「地域の工務店ネットワークによる技術支援」を生かし、発災直後から床下乾燥や応急修理などの復旧支援活動を継続しています。
◆ 支援の概要
霧島市・市議有志・社会福祉協議会・ボランティアセンターの連携により、これまでの災害対応では例のない規模で送風機やダクトファンが現場に導入されました。 9月末までに多くの家屋で床下乾燥が進み、カビや木部の腐朽といった二次被害を最小限に抑える成果が確認されています。
当NPOは、技術顧問の中谷助授(信州大学)および支援制度アドバイザーの木村准教授(長岡技術科学大学)と連携しながら、家屋修理が完了するまで現地支援を継続してまいります。
◆ 主な支援の経過
8月8日 中谷助授と連携し、霧島市オバマビレッジへ床下乾燥用ダクトファン10台を送付。乾燥方法や清掃手順などの技術情報を共有。荏原製作所よりダクトファン10台・排水ポンプも提供。
8月12日 霧島市・山口市議がボランティアセンターで機材貸出管理シートと申込フォームを構築、運用開始。
8月15日・16日 NPO法人Vネットより計342台の送風機を提供。当NPO管理のダクトファンと連携運用。
8月17日 当NPOから送付したダクトファン・延長ケーブルがボランティアセンターに到着。総計約400台の機材を管理運用。
8月18日 設置完了。木村准教授による被災者支援制度オンライン説明会を開催(霧島市議・姶良市議らが聴講)。
8月20日 霧島市が防災行政無線で床下乾燥の実施を呼びかけ、新たに20件超の設置依頼。
8月22日 送風機・ポンプの無償貸出を広報。現地質問に対し中谷助授が配置指導。
8月25日〜26日 山口市議が「住宅復旧支援金の整理」「浸水後の乾燥の重要性」に関するスライドを作成・公開。
8月30日 計160台の送風機・ダクトファンが被災家屋で稼働。
9月8日 中谷助授が霧島市役所にて復旧技術に関する説明と情報交換。
9月11日 中谷助授がボランティアセンターで「水害後の次のステップ」説明会を実施(市職員・社協職員約20名参加)。
9月25日 木村准教授が霧島市訪問。支援制度の整理スライドを活用し、部署横断での情報共有の重要性を提言。
9月26〜27日 山口市議の案内で被災者宅訪問。乾燥状況や支援制度の進行状況を確認。罹災証明調査が概ね適切に実施されていることを確認。
◆ 今後の方針
大工村では、
専門家と連携した再発防止・技術共有
被災者の制度活用支援
ボランティアセンターや行政との協働体制の検証
を行い、今後の水害に備えた地域防災モデルづくりへとつなげていきます。 引き続き、皆さまのご理解とご支援をお願いいたします。
参考資料リンク こちら
NPO法人大工村 ― 「地域の力で、暮らしを守る」 ― https://www.npodaikumura.com/