2017/06/20
ようこそ大工村へ!今回は、前回(https://daikumura.com/blog/hitorigoto/2017/04/post-942.html)に続き、大工道具シリーズ2回目。「木槌」をご紹介します。
木槌とは、木造住宅の構造材を叩き納める工具です。昔は大工さん自身の手によって、木材が切られ、カットされた部材を木槌で何度も叩いて組み上げていっていました。
しかし現在は、ほとんどの木造住宅が、構造材を機械で加工(プレカットという)され、大工さんが木槌を使うのは、上棟式(じょうとうしき)の時くらいになってしまいました。
上棟式(上棟祭、上棟の儀ともいう)とは、棟上げ、建て前とも呼ばれ、基礎工事が終わって柱が立ち、棟木(むなぎ)を上げる時に行われる大切な儀式です。無事に進んでこれた感謝の気持ちと、今後のご加護を神に祈るのです。
上棟式には3つの儀式があり、木槌が使われるのは「槌打ちの儀」。一番高い棟木を大工さんたちが木槌で打ち、しっかりとはめ込んでいきます。大工さんらしい、かっこいい姿を見れますよ。カーン、カーンと、遠くまで鳴り響く木槌の音は、なくしたくない日本の"音"でもあります。
上棟式は簡素化されたり、執り行わない場合もありますが、大工村ではこの伝統的な上棟式を子どもたちにも伝えたいと、「こども工務店」(家づくりに特化した職業体験イベント)の、ミニ上棟式で体験してもらっています。木槌は重いけれど爽快で気持ちよかったと、子どもたちの評判も上々です。